遡ること1ヶ月と少し前、あそこに行ってきた。
志張温泉元湯旅館の主に…「松尾鉱山行ったら、ここも是非…」
っと言われて、やっぱりだよなぁと思った次第。
しかし、秋田も奥深いぜ。
早朝の東北道、企業の多くが今日から夏休みというのも手伝って、秋田道の分岐まで90km/h前後の速度で進む高速道路。
車線変更に命を掛ける慣れないサンデーズが引き起こす突発的なブレーキランプが、少し欠伸が出そうな運転に強烈なスパイスを与える。
一歩間違えれば、多重追突のパターンも幾度か…幸いな事に、ベテラントラッカーなドライバーが後続に早めの警告で事なきを得る。
まったく気が休まらない運転だった。
盛岡近くからは、いつもの東北道を取り戻して、ようやく仮眠。
目的地尾去沢鉱山の開始が9時なので、7時をめどに起床して、鹿角市中心街を目指す。
道の駅で一休みして、コンビニおにぎりを頬張って、臨戦態勢だ。→きりたんぽの文字にかなり心が…
鉱山は、鹿角市街地から郊外に10分程のロケーション。
ただ、秋田の奥地という事もあり、人を寄せ付けないまたぎの山が市街地のすぐ傍に隣接する。
旧道を進めば、すぐに鉱山施設が否が応でも目に入る。
ここが有名な尾去沢鉱山の跡地だ。
ここは、精錬施設跡との事、山奥に似つかわしくない大きな煙突が印象的。
そしてここが選鉱所。
採掘した鉱石を含んだ岩石を砕いて、鉱物を含んでいる石と、そうでないモノを選別する場所なのだそうです。
まだ、見学施設の開場まで時間があるので、隣接する鉱山歴史館へ学識見学!
これが、尾去沢鉱山の採掘坑の模型。
なんでも、枝葉の坑道まで含めると総延長は700kmにもなるとの事で、ここ鹿角から遠く東京まで繋げる事が出来る距離なのだそうだ。まさに血管を思わせる網目のようだ。
ここで産出する鉱物の数々が展示されていたが、一つの鉱山としてはとてもバラエティに富んでいる。
ありし日の尾去沢鉱山。まさに鉱山要塞都市だ。
さて、時間も来たので1000円のお布施を払って坑道に潜入!
一年を通じて13度とされる坑内の空気が勢いよく吹き出てくる。
既に寒い…当然長袖を羽織っての見学だ。
坑内は、湧水の為にどこも水浸し、そして坑内温度は低いものの、湿度は比較的高い。
坑内は穿坑時期や地盤の状態により、支保工と呼ばれる落盤を防ぐ施設が施されていて、掘り進めた苦労が計り知れる。
このように地山(何もせず掘ったままで坑道が維持できる)の坑道もあり、なかなか興味深い。
通常のトンネルは、覆工(トンネルの地肌をコンクリート等で巻いて補強)しているのが普通だし、このように自立できる場所を掘ることができる事が鉱山との本質的な違いなのだと納得。
そして、鉱脈掘削の真骨頂、シュリンケージ採掘の現物。
今まで見てきた坑道は一般的に「通洞」と呼ばれる連絡坑で、コレ自体は鉱脈まで人と物、そして掘削した鉱石を運ぶ通路ではあるが、実際に鉱物を採掘する場所ではない。
鉱脈と呼ばれる鉱物を含んだ場所というのは、武甲山のように山の大部分が石灰岩という事は希、有用な部分はほんの一握りで、多くの場合、岩盤の間に割り込んだ状態で存在する事の方が多いので、水平方向に坑道を掘り進めても極めて効率が悪い、そこで通洞を主要坑道として確保。斜坑や水平坑道をいくつも掘って鉱脈にアプローチする。
鉱脈に辿り着くと、鉱脈下部から上部に向けて鉱脈を含んだ岩石を根刮ぎ抉り取って坑外へ運んで、地上の施設で有用金属と分離する。
下はそんな鉱山施設の模式図。
実際は、断面方向だけではなく、奥行きもある立体構造なので、先の資料館の模型のように血管のような形になるのだが、概ねこんな概念かと思う。
今回見学したのは、あくまで主要坑道のほんの一部。
ただ、水平坑道でも鉱脈に当たる部分もあるので、その部分(赤いところ)を刳り抜いた跡が、シュリンケージ法による掘削跡となります。
上の大きな天井を穿つ溝が鉱脈だった部分で、刳り抜かれて空洞になっている。
そして、鉱山と言えば、お気に入りのグランビー鉱車
バテロコかローリーロコで鉱車を引いて…
ここでバケットを傾けて、鉱石を下の貯鉱場に集めます。
そろそろ部分的に土に帰りつつあるレールが…
坑道を進むと、在りし日の鉱山の様子を記した資料がありました。
目一杯鉱山を堪能して退坑。
鉱山を出ると次なるスポットまで、移動中に…
縄文時代の墳墓なのだそうです。
でも古墳と違って、強大な領主を葬った場所ではなく、集団墓地のようなものだそう。
さて、本日の第二目標。
旧小坂鉱山鉄道の小坂駅にある、小坂レールパークです。
ここには、先日引退したブルートレイン「あけぼの」号の実車展示があるだけでなく、実際に電源車を連結して「宿泊」出来ちゃうのです。。。。!
しかも好物のディーゼル機関車もあるわい。。。
この機関車のエンジンだそうです。直列6気筒31Lのディーゼル機関です。
ピストンでけぇ…これが上下して1気筒あたり5L分の働きをします…
う〜ん、ビンビンのジンジン…しんみりして車庫を後にしたのでした。
で、次はここ
大館・小坂レールバイクです。
ここで廃線区間を整備してレールバイクを走らせてくれます。
木陰が気持ちよい廃線軌道…これを走れると思うとウキウキですなぁ。
これがウチの流星号 かっこいいべ?
それでは、GOGO!
うひょー、爽快。
総重量はかなりありますが、摩擦の少ないレールと鉄車輪ですから、走り出してしまえば快適そのもの。
鉄橋を渡る「タタン!タタン!」という音が、まさに車両そのもの。前を行く家族も大興奮のようでした。
目一杯楽しんだ初日…本日のお宿は…
雪沢温泉…
その名も…大雪「おおゆきではなく、たいせつ!」
このドライブイン風の趣がたまんねぇ〜
温泉が、柔らかくて、しかもヌルい…私的には最高の風呂。
湯船に10分と浸かれないワシが30分も入っていた。
これは極楽じゃ
と、いう事で秋田の夜は更けていくのであった。
(実際は寝不足で夕飯と同時に撃墜…)翌日に続くのであった。
鉱山かっこいいいいいいい!!たまりませんのう。
自転車で走るやつ、どこぞで見かけて乗ってみたかったなあ。
やっぱり夏がいいのかな?
よい季節に行かれましたねー!
鉱山いいです。
グリーンタフな地域なら、比較的鉱物鉱山があるのだそうです。
シュリンケージ採掘法による鉱山採掘の醍醐味が見られるかと…
自転車で走るヤツは、一般の方は多少寒い時期がよろしいですわ。
汗ダク確実ですからね